「営業利益 -37億2600万円」 2019年3月第1四半期の決算短信を見て衝撃を受けました。
何があったのだ!?と思い決算説明動画を確認しました。
赤字の原因は先行投資
瀬戸社長の説明によると「Q1に先行投資を行い、Q2以降で回収する」との事でした。
先行投資を前年同期比と比較
広告費:33億円→52億円
先行投資129億円→160億円(新商品への投資等)
広告費・先行投資で前年同期を50億円上回っています。
売り上げは全セグメントで増益
売り上げ自体は全セグメントで増収したそうです。
ただし、先行投資で利益は全セグメントでマイナス。Q2以降での回収を予定しているとの事でした。
本体の事業
RIZAP関連事業:74→107億円(前年同期比)
RIZAPの待ち人数が3倍(契約済みだが、待ち分は売り上げ未計上)
財務体質は強化されている
自己資本率は改善:24.6%→34.0%(増資により資産を増加させたため)
のれん資本比率:18.2%→13.0%(のれんに対する減損も対処している)
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買収について
買収のコンセプト:会社をブランドから丸ごと変える
RIZAPのM&Aについて
一般的なM&Aの例:経営の順調な15億円の会社を30億円で買う、その後毎年3億円の利益が出る ← 高く買った分は後で回収できる目算
RIZAPのM&Aの例:経営不振な30億円の会社を15億円で買う、その後、赤字のままだと毎年3億円の損失が出る ← 改善することで利益を出す
買収企業の状況
買収企業の時価総額:買収時に比べて合計で4.8倍になっている
会社名 | 営業利益 (前年同期比) |
その他コメント |
ジーンズメイト | -70(百万) → 195(百万) |
秋からニューコンセプトブランドを発表予定(機能・デザイン・価格で勝負する) |
マルコ | 42(百万) → -425(百万) |
・新CM好調により、新規来店の予約数が前年比39倍 ・予約好調の主力商品の生産遅延により1Qに売り上げを計上出来ず ・先行投資・生産遅延により利益はマイナス |
HAPiNS(旧パスポート) | 14(百万) → 49(百万) |
Q2以降も積極的な出店を継続予定 |
RIZAPの今後
・法人健康セミナー(食事/運動が実践で学べる法人健康セミナー)を実施中
→会員数:25000人(2018第4Q)→33000人(2019第1Q)
・フィットネス市場からヘルスケア市場へ展開(フィットネス市場:4000億円規模、ヘルスケア市場:40兆円規模)
・2019年Q2以降全ての四半期で過去最高益を達成見込み
追記:2018/11/15
Q2の発表では最高益どころか減益発表でした。
負ののれん計上による利益拡大は一時的なものであるため、路線の変更は賢明な判断だと考えています。
ただし、市場的には失望売り、負ののれん計上で利益拡大していた前程度の株価に戻るのではないかと考えています。(約200円程度です。)
しばらくは株価の低迷が続くでしょうが、社長は役員報酬返上、配当も無くなったので、瀬戸社長は本腰を入れて改善してくれると期待しています。
おわりに
37億円の赤字に最初は驚きました。株価も下がるでしょうが、乗り掛かった舟、しばらくホールドを続ける予定です。
優待のカタログも良いですし、もし500円を割る事があれば買い増しも検討します。
無配株に転落したことから、優待改悪の可能性も考慮する必要があると考えています。
以上