2020年に小学校でプログミング学習が必修化されます。
私は現在システムエンジニア(SE)として働いていますが、最初にプログラミングをしたのは大学に入ってからでした。
後悔先に立たずとは言いますが、できればもう少し早い段階でプログラミングに触れられれば良かったと思っています。
本記事では、そうした自信の経験から
- なぜ大学より早い段階でプログラミングに触れて置きたかったか
- 子供にプログラミングをさせる場合にはどんな事をさせるべきか
について書かせて頂きます。
少なくとも中学生くらいでプログラミングに触れさせるべき
もう少し早くにプログラミングに接していれば…
私は現在SEとして働いていますが、初めてプログラミングをしたのは大学に入学してからでした。
大学入学以前は、数学・物理・化学など理系の科目全般に興味はありましたが、プログラミングについては難しくて分からなそう、と敬遠していました。
大学の専攻も情報系の学科ではなく環境系です。
ただ、大学に入ってから研究室でシステムを設計し実装する機会がありました。やってみると意外と面白さもあり向いているかもしれないと思い、情報系の会社に就職する事にしました。
非情報系出身でも情報系の会社に就職する事は出来ますが、やはり情報系出身の人の方が有利です。情報系に興味があり大学でその事について勉強を続けて来たと言えば、面接で説得力がでます。
正直、最初から情報系の学科に入学していれば、もう少し給与や待遇の良い会社に入社できていたかもしれないと思う事があります。
文理選択という壁
理系の学生であれば、大体の場合は必要に迫られてプログラミングをする事になりますが、文系の学生はプログラミングには全く触れずに社会に出る人も少なくありません。
はっきりとした進路選択が無くても、おおよその学生は中学生ぐらいで文系か理系かをふんわりとは決めます。
文系に進んでしまうと、プログラミングには一切触れずに過ごす人も多いため、例え適性があったとしても知らずに一生を終える事になります。
これでは、もしかしたらIT系に進んで活躍できていたかもしれない人材が埋もれてしまう可能性があります。
大学生はそんなに勉強しない
大学の頃、周囲の人を見ていると、やる時は勉強するが基本やらない人も少なくありませんでした。
私が通っていたのは京都大学という、それなりに勉強するタイプの人が集まっている大学です。
そんな大学でも卒業してしまえば雑多な知識なんてどうせ使わないから、と効率よく単位を取る事だけを考えるというタイプが一定数いました。(勿論、毎日図書館にこもって勉強に没頭する人もいました。)
プログラミングの授業は基本は課題提出で、作成したコードを提出すれば済みます。
このため、人の課題を写して単位だけもらう人もいました。
こうして理系の学部だったとしても、まともにプログラミングをせずに社会に出る学生もいます。
プログラミングができるとSE以外でもメリットがある
例えば、エクエルのVBAが出来ると事務作業の効率化が出来ます。
複数のエクエルファイルについて一定のルールで編集する作業があった場合、人間が1,2時間かかる作業でも、VBAでプログラムを書けばコーヒー休憩に行っている間に作業が完了します。
人が作業するのと異なり、単純作業を繰り返してもミスしないというメリットもあります。
(大っぴらには言えませんが、VBAの処理は負荷が高くパソコンが重くなります。これを良い事にVBAのプログラムを走らせている間は「今、VBA走らせてて他のこと出来ないっす」と休憩を取ることも出来ます。)
プログラミング教育のデメリット
子供の遊ぶ時間が~とか、パソコンばかり使うので~、といった議論は他の方にお任せして、SEならではの考えを書かせて頂きます。
何も知らずにプログラマー志望になる危険
プログラミング教育をすると「プログラミングは楽しい、プログラマーになりたい!」という子も出てくると思います。
ただし、現在SEとして働いている身からすると、早期にプログラマー志望になる事はお勧めしません。
日本のITの実情として、
1次受け企業 > 2次受け企業 > 3次受け企業 …
という階層構造があります。
そして、上流に近い程収入が高くなる仕組みになっています。
上流の工程では、顧客への提案・折衝、システム・ソフトウエア全体の設計を行います。
プログラマーの仕事は、上流の人たちが設計した仕様を基にプログラムを作成することです。
プログラミングしかできない人では上流の工程に携わる事が難しく、2次受け、3次受けの会社に入社する恐れがあります。これでは高収入を得る事が難しくなってしまいます。
もし、子供の頃に「俺はプログラミングで生きて行くんだ!」と決めて他の勉強を疎かにしていると、下流工程のエンジニアになってしまう可能性があります。
大人になってから「こんなはずでは…」と後悔させないためには、プログラミングのスキルだけでなく、業界としてどうなっているかも教えた方が良いと考えます。
プログラミング学習では子供にどんな事をさせるべきか?
決まった課題をこなすのは面白くなかった
最初は授業でプログラミングをしましたが、課題をこなしているだけでは特別面白いとは感じませんでした。
課題に出される計算プログラム等は「紙とペン使った方が速いわ!」と思いながらコードを組んでました。
私が興味を持ったきっかけ
私がプログラミングに興味を持ったのは、Webシステムを作った時です。自分でCSSやHTML、PHP等を書き、デザインや動的な画面遷移をさせるのが面白かったです。
webサイトの作成に使われるHTMLやCSSは正確にはプログラミング言語ではありませんが、決まった命令を使えばその通りにコンピュータが動くという点では、概念は理解できます。
私は元々、何かを作るのは好きなタイプで、絵を描いたりするのも好きでした。そういうタイプの子はサイトのレイアウト、配色、フォントに工夫を凝らすのも楽しめると考えます。
プロが作った物に比べるとレベルが違うにせよ、自分で同じような物が出来たのが嬉しかったり、達成感を感じる事ができました。
無料で子供が自分でプログラミングできる環境は整っている
子供の教育用にScratchなど、ビジュアルプログラミングと呼ばれる方法のプログラミングソフトが無料で公開されています。
日本語が分かれば直感的に分かるようになっていますし、ゲームやデザインを楽しむ事も出来ます。
こうした環境を利用すれば、親はそれ程詳しく無くても、子供がプログラミングの学習をすることが出来ます。
おわりに
子供が何に適性があるかは、実際に腰を入れて取り組んでみるまでは分からない部分があります。
ビジュアルプログラミングならプログラミング経験のない親や教師でも抵抗なく身に付けられますし、きっかけを与えるという意味では学校教育に組み込まれても良いと考えています。
ご参考になりましたら幸いです。
以上
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