ITパスポート初心者・独学者が受かる気がしないと思う原因と効率的な勉強法を解説

ITパスポート試験を受ける人は、IT系の資格試験は初めて受験するという人がほとんどだと思います。

このため、どんな問題が出るのか?何から勉強し始めればよいか?といった疑問をお持ちではないでしょうか。

または勉強してみたけど受かる気がしないと思われたかもしれません。

 

私はIT系の企業に10年以上勤務しており、情報処理技術者試験の中でも最難関の部類に位置づけられるネットワークスペシャリストやプロジェクトマネージャを保有しています。

 

本記事では、はじめてIT系の資格、特にITパスポート試験を受ける人に向けて

試験の概要勉強方法について書かせて頂きます。

 

 

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ITパスポート試験とはどんな試験/出題範囲は?

簡単にまとめると

  • IT系の国家資格の中では一番やさしい資格試験
  • IT業界の基礎知識を身に付けられる
  • 非IT系人材でも独学で合格を十分狙える

 

試験の概要、出題範囲

項目内容
試験時間120分
出題数小問100問
出題形式4択問題
合格率約50%
受験料7,500円(税込み)
出題分野ストラテジ系(ITと経営戦略):35問程度
マネジメント系(ITプロジェクトの管理):20問程度
テクノロジ系(ITの技術的な問題):45問程度
合格基準総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること

総合評価点
600点以上/1,000点(総合評価の満点)

分野別評価点
ストラテジ系  300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
マネジメント系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
テクノロジ系  300点以上/1,000点(分野別評価の満点)

 

注意したいのが、6割取れれば合格ですが、出題分野毎にも合格基準が決められており、バランスよく点を取る必要があります。

 

試験の開催時期

試験は毎週末受験することができます。

オンラインで全国の受験地から希望の試験会場を選んで受験できます。

 

 

どんな問題が出る?過去に出題された問題

どんな問題が出るか

大まかな傾向としては以下です。

  • 知識を問う問題が8割以上
  • プログラミングっぽい問題は出るが、プログラミング経験が無くても解ける(1問程度なので捨てても合格は十分可能)
  • 計算問題は数問出るが、ほぼ算数レベル

 

過去に出題された問題の例

  • 参考問題1

経営戦略との整合性を確保した全社的な情報システムの整備計画の策定を行うことになった。この活動の責任者として,最も適切な者はどれか。

ア:CIO、イ:CTO、ウ:基幹事業の部門長、エ:情報システム部門の企画担当者

解答を確認する

 

  • 参考問題2

情報セキュリティ上の脅威であるゼロデイ攻撃の手口を説明したものはどれか。

ア:攻撃開始から24時間以内に,攻撃対象のシステムを停止させる。

イ:潜伏期間がないウイルスによって,感染させた直後に発症させる。

ウ:ソフトウェアの脆弱性への対策が公開される前に,脆弱性を悪用する。

エ:話術や盗み聞きなどによって,他人から機密情報を直ちに入手する。

解答を確認する

 

  • 参考問題3

20本のプログラムを作成するにあたり、プログラム1本につき、作業期間が1日、コストが4万円と見積り、作成に着手した。開始からの10日間で8本作成し、累積コストは36万円になっていた。残りのプログラムは未着手である。このままの生産性で進めると、見積りに対する超過コストは最終的に何万円になるか。

ア:4  イ:6  ウ:10  エ:18

解答を確認する

 

 

ITパスポートに受かる気がしない・難しすぎると思ってしまう理由

ITパスポートの難しさについて

ITパスポートが難しいと感じる理由には以下があると考えています。

  • 試験範囲が非常に広い
  • 毎年出てくるITの新しい話題に準じた問題が出題される

ITパスポートの出題範囲は細かくは以下の分野に分けることができ、非常に広い範囲を勉強する必要があります。

  • 企業と法務
  • 経営戦略
  • システム戦略(システム活用、評価方法等)
  • 開発技術(システム開発方法について等)
  • プロジェクトマネジメント
  • サービスマネジメント(ITサービスの運用等)
  • 基礎理論(2進数、集合論等)
  • コンピュータシステム
  • 技術要素(データベース、ネットワーク等)
  • 情報セキュリティ

試験範囲が非常に広いため、1分野ずつ着実に押さえていこうとすると時間がいくらあっても足りないと感じ、受かる気がしないと思ってしまう人もいると考えます。

 

失敗する勉強法・ノートの使い方について

やりがちな勉強法としては、教科書をノートにまとめることですが、ITパスポートではこれはお勧めしません。

理由は以下です。

  • 教科書が400ページ程度あり、このボリュームをノートにまとめると1か月以上はかかってしまう
  • ITパスポートの試験のテキスト自体が、すでに整理された用語集のようなもので、ノートを作る必要が無い

ITパスポートの様に広範な知識を要求される試験では、ノートに知識を整理していると、膨大な時間がかかってしまいます。

 

 

試験勉強のウォーミングアップ

初心者がゼロからでも合格できる?

IT系の仕事や勉強をしたことが無い人でも十分に合格を狙える難易度です。

独学用の教科書も多く出版されているうえ、過去問も公開されているのでIT系の実務経験がなくても対策しやすい試験です。

 

いきなり試験対策に入る前にウォーミングアップをするのがお勧め

ITパスポートは比較的には簡単な部類に入る資格試験とはいえ、ITの専門用語が容赦なく出てきます。

このため、IT初心者の人だと、ITパスポートの教科書を読んでも理解できないと感じるかもしれません。

そうした人には、まずは以下の様な読みやすい本から入るのがお勧めです。

この本をお勧めする理由は以下です。

  • IT関連の知識を全て図解付きで解説してくれている
  • 初心者向けに基礎的な用語に絞って解説している
  • この手の本の中では、比較手に薄く、気軽に読みやすい

200ページ程の本なので、2時間程度あれば読めるかと思います。

 

 

ITパスポートのお勧めの勉強法

勉強のポイント

勉強のポイントを以下に図解化します。

  • 教科書の読み込み、過去問演習の両方を並行するのがおすすめ
  • 先ずは全体像をつかみ、そのあと個別分野の対策を行う
  • 勉強期間は1カ月程度を設定するのがおすすめ

過去問演習だけでは知識が断片的になってしまい、その分野としての知識を定着できません。

断片的な知識で試験範囲を網羅するためには、かなりの量の問題を暗記する必要があるため、かえって非効率になります。

また、教科書を読むだけでは理解度を確認できないため、勉強が足りているのかどうかが分かりません。

このため、教科書を読みながら、過去問演習をするのがお勧めです。

 

勉強のステップ

先ずは教科書を一通り読んで、早い段階で試験一回分の過去問をやってみるのをお勧めします。

正直、最初は2,3割程度しか正解できないかもしれませんが、それが普通です。

過去問演習をお勧めするのは以下の理由です。

  • 教科書の通読だけで知識を頭に入れるのは難しい
  • ITパスポートの問題は過去問から6~8割程は、そのまま/少し手を加えて出題される

 

教科書は下記がお勧めです。

下記の教科書は紙書籍版を購入するとPDF版を無料ダウンロードできるという神サービスの本です。

紙書籍はかさばるので、PDFでスマホに入れて持ち運べば、隙間時間にも勉強ができて効率的です。

【ITパスポート】電子書籍の参考書でも良い?お勧めの分かり易い1冊を紹介!

 

また、過去問演習はITパスポート過去問道場というサイトで取り組むことができます。

 

ITパスポートの問題は過去問からの使いまわしも多いため、過去問を問題集代わりに使って勉強するのがお勧めです。

テキストを繰り返し読む勉強法は、それだけで知識を頭にいれるのは、かなり勉強に慣れている人でないと難しいです。

効率的に勉強するためには、インプットと並行して、インプットしたことを確認するために問題演習等でアウトプットをするのがお勧めです。

 

勉強期間の目安

ITパスポートは覚える知識の量がそれなりに多いため、合格を目標とするなら1カ月の短期集中がお勧めです。

というのも、勉強期間が長すぎても、勉強のモチベーションが続かない最初の頃に覚えたことを忘れてしまうといった問題があるため短期集中をお勧めします。

 

さらに1カ月の内訳としては、以下がお勧めです。

  • 最初の一週間で徹底攻略ITパスポート教科書を一回通り通読する
  • 8日目以内に過去問を一回分解く
  • 点数の悪い分野について3分野を選び、徹底攻略ITパスポート教科書を再読し、その章の章末問題を解く
  • 13日目以内に、同じ過去問を再度解く
  • 点数の悪い分野について徹底攻略ITパスポート教科書を再読し、その章の章末問題を解く
  • 18日目以内に違う過去問をさらにもう1回解く
  • 以降は徹底攻略ITパスポート教科書を再読しながら、問題演習を繰り返す

 

紹介している徹底攻略ITパスポート教科書は、全10章なので毎日1章ずつ読んで行けば30日で3周できます

 

過去問は何年分やれば良い?

最近の傾向としては以下です。

  • 直近3回分の過去問でどの回でも8割以上取れれば合格の見込みはある
  • 近年は5年以上前の古い過去問からの転用、新出問題の増加という傾向があり、過去問は目安と考えるべき

以前は過去問からの流用が多かったのですが、それだと丸暗記でも合格できてしまうため、出題者も傾向を変えてきています。

それでも、まだまだ過去問からの流用が多いため、過去問をベースに勉強するのがお勧めです。

 

 

 

まとめ

ITパスポート試験について、簡単にまとめると以下です。

  • IT系の資格の中では易しいレベルで、独学合格も可能
  • IT系の勉強をしたことが無い人は、1カ月程度の勉強期間を設定するのがおすすめ
  • 試験勉強は教科書の通読と過去問演習を並行するのがおすすめ

 

ITパスポートはIT系の知識を広く知ることができるので、非IT系の人や、これからIT系の勉強を始める人が手始めに受けるのにお勧めです。

ご参考になりましたら幸いです。

以上

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