書評「スマホ脳」章ごとの要約と考察

「スマホ脳」という本のタイトルから、こう考える人もいるでしょう「スマホばっかり使ってたら脳に悪いんでしょ?はい、この本の話は終了。」

間違いではないですが、スマホは我々の生活には切っても切れないものです。

ですが、スマホは必ずしも我々にメリットを与えるだけでなく、デメリットもあります。

スマホのデメリットとどう付き合っていくかを知るためにも、本書を読む価値はあります。

 

 

スポンサーリンク

書籍「スマホ脳」の章ごとの要約

本書の内容を章ごとにまとめると以下です。

1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた

  • 我々の祖先は長い間、狩猟採集により生活してきた。
  • 人間の脳は、狩猟採集生活をうまく行うために最適化されてきた。
  • ここ数十年で、人類を取り巻く環境が大きく変わった。
  • 人類の体も精神も現代の生活には合っておらず、様々な歪みが出ている。

 

2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある

  • 動物がストレスを感じるのは、生存のための警報システムが必要だったから。
  • 危険を感じると生存のための警報システムは、睡眠や消化を後回しにするよう出来ている。
  • 人類の長い歴史の中では、危険を見逃すよりは、少しの危険にも過剰に反応する方が生き延びやすかった。
  • 現代では死ぬほどの危険は稀だが、代わりに断続的なストレスにさらされている。
  • 断続的なストレスにより、警報システムが発動し続け、不眠や精神由来の消化不良などの反応が現れる。
  • 危険を感じ続けていると、安全を感じられるまで脳は活動意欲を下げ、自然と巣穴(家)に引きこもらせようとする。

 

3章 スマホは私たちの最新のドラッグである

  • 人類は生き延びるために、周囲の環境の変化を敏感に察知するように進化してきた。
  • 周囲の環境の変化に敏感になるため、人間の脳は、新しい物・情報を見つけると快感物質を出している。
  • パソコンやスマホからは、大量の新しい情報を得られるので、快感物質を得ることができる。
  • もしかしたらスマホに重要な連絡・情報が来ているかもしれないという心理は、ギャンブルでもしかしたら当たりがでるかもしれないという心理に非常に似ている。
  • ギャンブルに依存するのと同じ仕組みで、スマホに依存してしまう。

 

4章 集中力こそ現代社会の貴重品

  • 脳はある事から、別の事へ注意を切り替えた際、数分間は切り替え前の出来事にもいくらか注意を残している。
  • 仕事中に数秒、メールに注意を向けてから仕事に戻っても、100%の集中力を仕事に注ぐまでには数分間を要する。
  • マルチタスクをすると、頻繁に脳の注意が切り替わるため、集中して物事に取り組めない。
  • 人類の祖先は危険を察知するために、常に自分の周囲の様々なものに注意する必要があったため、「気が散りやすい」生き物として進化してきた。
  • 生き残るために、気が散っていた方が有利であり、脳も気が散っている方が快感を感じるようになった。
  • 気が散っている方が脳は快感を感じるため、人間は自分からマルチタスクで気を散らすことを好み、100%の集中力で物事に取り組めなくしている。
  • 勉強や仕事中に、Youtube動画やSNSを見てしまい、生産性を落としている人は多い。

 

5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響

  • アメリカ精神医学会の報告では、スマホを頻繁に見る人ほど、多くのストレスを抱えていることが分かった。
  • 危険を感じた時に活性化する脳の神経系と、スマホを見ている時に活性化する脳の神経系は同じだった。
  • 人間は狩猟採集民だったころの名残で、入眠しても暫くの間は、何かの危険に直ぐに対応するために、浅くしか寝ていない。
  • 寝る直前にスマホを見ると、脳が危険状態と錯覚し警戒意識が高まるので、睡眠が浅くなってしまう。
  • 睡眠不足が続くと、集中力の低下や、情緒不安定が引き起こされる。

 

6章 SNSー現代最強の「インフルエンサー」

  • 人間は噂話、特に悪い噂話が好きになるように進化してきた。
  • 悪い噂話により、集団の中で信用できる人、できない人を区別してきた。
  • 人間は、周囲の人と絆を深めるために、自分のことを話しているときに脳内の快感物質がでるように進化してきた。
  • SNSでは、人の悪い噂を聞いたり、自分の話をできるため、Facebook等に多くの時間を使う人が増えた。
  • SNSを多用する人は、他人と自分を比較し、自分にマイナスの感情を感じる傾向があった。
  • SNSの利用者の中でも、特に精神状態が悪くなったのは、他人の写真を見るだけで、自分はアップしない消極的な利用者だった。

 

7章 バカになっていく子供たち

  • 自分の欲求を制御する脳の機能は子供の内は未発達であるため、子供は誘惑に屈しやすい。
  • 子供の脳はスマホを見たいという欲求を制御するのが困難であり、スマホ依存になりやすい。
  • 子供の脳は色々な刺激が関連しあって発達するため、タブレッド学習を多用すると、紙とペンで文字を書く際に得られる刺激が減り、脳の広い分野で機能の発達に悪影響がでる可能性がある。
  • 近年では予定を管理される子供が増え、遊ぶ機会が減ってしまったが、遊びこそが脳を発達させるのに必要である。
  • スクリーンタイムが1日7時間以上の子供達は、そうでない子供達に比べて、うつや不安の症状が倍以上も多くみられる。

 

8章 運動というスマートな対抗策

  • 身体のコンディションが良い方が、脳は危険時に身体に強い警告を出す必要がなく、結果、ストレスの程度が下がる。
  • 運動することで精神が健康になるだけでなく、すべての知的能力が向上することが分かっている。
  • あらゆる種類の運動(散歩、ヨガ、ランニング、筋トレ等)が知的能力の向上に役立つ。
  • 運動の効果を一番得られるのは、週2時間・心拍数が上がる運動(早歩き程度の負荷)を6カ月程度継続した場合である。

 

9章 脳はスマホに適応するのか?

  • 現代では、身体を動かす機会が減り、スマホやパソコンに記憶等の脳の機能を任せることで、IQが下がってきていると言われている。
  • 実際の所、デジタルが我々の生活に入り込むスピードが速すぎるため、人間への影響の検証が追い付いていない。
  • かつては環境に不利な遺伝子を持つ人は遺伝子を残し難く淘汰されてきたが、現代は技術の発達により環境に不利な遺伝子を持っていても生き残れる人が増え、進化はほぼしなくなった。
  • 個人の習慣(睡眠を優先し、身体をよく動かし、社会的な関係を作り、スマホの使用を制限する)により、現代に対応する必要がある。

 

 

本書の感想・考察

ダイナマイトの発明者のノーベル、原子爆弾の開発主導者のオッペンハイマー、こうした人物は晩年に自分の発明が人類のためになったか非常に苦悩したそうです。

これと同じく、SNSの開発者も、人々をSNS中毒にする仕掛けを考案・開発してきた結果、自分たちの作ったものが本当に社会のためになるのか、害になるではないか、罪の意識にさいなまれたと聞きます。

少しオーバーですが、スマホ・SNSとは、多くの人を不幸にする発明と言っても過言ではないかもしれません。

 

スマホの無い生活をするのは実際の所、難しく、我々としては上手く付き合っていくしかありません。

スマホとうまく付き合うには、我々の脳機能(誘惑を制御する機能)を高める必要があり、そのためには適度な運動習慣が効果的です。

本書で書かれていた、週2時間は社会人にはハードルが高いかもしれませんが、取り組む価値のある目標であり、私も取り組もうと思います。

 

また、本書にもありましたが、人類の脳は狩猟採集時代を生き残るために最適化されてきました。

環境が大きく変わる現代では、本能に従う生き方では上手く対応できず、自分で考え、方向を定めて制御して生きて行くというのが、必要であると感じます。

つまりは、色々なことを勉強して考えること・自分を制御すること、この2つができないと現代では上手く生きていけないのかと考えます。

 

 

ご参考になりましたら幸いです。

以上

コメント