システムエンジニア(SE)の会社に内定をもらった人の中には「SEとして働く事が決まったけど、入社前にしておいた方が良い事ってあるのかな?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
私はSEとして働いて今年で9年目ですが、新人の頃を振り返ってみると「アレをやっておけば良かったな~」という事がいくつかあります。
本記事では、SEとして働く事が決まった大学生に向けて、入社前までにやっておいた方が良いと考える事を紹介させて頂きます。
応用情報技術者試験レベルの知識の獲得
私が入社してすぐの頃、お客さんと雑談する機会がありました。
その時に、社内のサーバー等の話になったのですが、私は情報系の出身ではなく、ほとんど理解できませんでした。
社内ディレクトリの構造は……マウントが……なんですかね?
はあ、どう…なんですかね…(汗)
(心の声「あれ、こいつ話について来れてない?察し。」)
その時は、冷や汗をかきながら、適当に相づちを打ちつを打ってその場をしのごうとしました。すると、お客さんは「コイツ分かってないな…」と悟られたのか別の話になりました。
(心の声「違う話になって良かったけど、これじゃプロとして駄目だよな…」)
お客さんの前で、仮にもITのプロの自分がお客さんより知識がない状況です。私がどういう気持ちだったかお察し頂けるかと思います。
入社してしまえば、IT初心者であっても社外の人からはプロとしての対応を要求されます。
ITの勉強といっても、その範囲は非常に広いため何から手をつけて良いか迷われると思います。
このため、1つの目安として応用情報技術者試験レベルの勉強をしておく事をお勧めします。
ただし、基本情報技術者試験の合格がまだの方は基本情報技術者試験の勉強からスタートする方が理解が深まります。
参考までに1問だけですが、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の問題例を掲載しておきます。
基本情報技術者試験 H29年 春 午前試験 問37
パスワードリスト攻撃の手口に該当するものはどれか。(ア~エの中の4択解答)
応用情報技術者試験 H29年 春 午前試験 問38
パスワードクラック手法の一種である、レインボー攻撃に該当するものはどれか。(ア~エの中の4択解答)
応用情報技術者試験では、基本情報技術者試験よりも一歩突っ込んだ問題が出るため、本当に初心者の方は基本情報技術者の勉強から始める事をお勧めします。
実際に受験はしなかったとしても、基本情報技術者や応用情報技術者の参考書を読んでおくとITの基本知識の習得に役立ちます。
ガチの教科書を読むのは辛いですが、以下の教科書はイラストによる説明が主となっており、IT初心者の人でも流し読みで勉強できるようになっています。
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 平成31/01年 (情報処理技術者試験)
キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 平成31/01年 (情報処理技術者試験)
大学生は遊んだり、アルバイト等もあり忙しいため、電子書籍で購入してスマホで隙間時間に読み進めるのがお勧めです。
IT系の会社では入社後に、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の合格を求められる企業が多いです。
入社直後は、新しい環境になれる苦労、初めての仕事で疲れたりするため、働きながら資格の勉強をするのは大変です。
もし入社前に少しでも勉強しておけば後々楽になります。
ITで自分がやりたい事を考え、挑戦する
仕事と関係なくても良いのですが、ITでどんな事をやりたいかを明確にしておく事をお勧めします。
そして、小さくても良いので、やりたい事を形にしていく事をお勧めします。
何かやりたい事が出来たとしても働き始めてから手をつけるのは難しいです。社会人になってからだと、後で後でと言って1年くらいすぐに立ってしまいます。
現実的な話として、入社後に希望の部署に配属されるとは限りません。
例えば設計やコーディングをしたいと思っていても、配属先は運用、営業などの部署である可能性があります。
自分でやりたい事を考えて、小さくても開発をする事のメリットには、次の様な時に自分がやりたい事を説得力をもってアピールできる事です。
- 配属時の面談
- 入社後の異動希望時の面談
- 転職の際の面接
自分でプライベートで続けてきた実績があると、ただ「やりたいです」と言うより説得力があります。
入社した会社で希望の部署に配属されるかは分かりません。そうなると転職をしたいという思いが芽生えると思います。
転職の面接の時に実際に作っているものを見せられると強いです。
私の好きな言葉に「人は短期間で出来る事を過大に見積もり、長い月日での積み重ねを過小に見積もりがちだ」というものがあります。
数日で出来ない事に着手するのは気が引けますが、年単位での成果を甘く見てはいけません。
何年後かには積み重ねて来た人と、積み重ねて来なかった人では大きな差ができています。
もし何から手をつけて良いかわからない場合、「作って学ぶ」系の書籍を利用するのが手っ取り早いです。
例えば以下の様な本です。
交友関係を深めておく
打算的な話をしますが、システムエンジニアの男性ならではの切実な理由があります。
システムエンジニアは出会いが少ない職業です。
職場の女性の割合は1〜2割程度の所が多い様です。
長年働いてきて周囲の人を見ていると、結婚する人は以下のパターンが多いです。
- 入社前から付き合っていた人と結婚する
- 入社前からの友人からの紹介で交際しはじめる
社会人になってからでも出会いはあるだろうという考えはやや甘いです。
その人次第という部分があるので、これまで出会いが多かった人は社会人になっても出会いは多いでしょうが、少なかった人は社会人になっても少ないという事になりがちです。
非常に打算的ですが、勤務地が近くなりそうで、比較的女性が多い職場に勤務する人とは仲良くしておくと良い事があるかもしれません。
お金の勉強をしておく
周りのシステムエンジニアを見ると、意外とやっていないのがお金の勉強です。
資産を増やすためではなく、不要な損をしないために少しだけ勉強しておく事をお勧めします。
社会人になると、保険屋さんや銀行員などの人が色々な商品をお勧めしてくる事でしょう。
そんな時に、プロのセールストークにのせられて、実はオトクではない契約をしてしまうかもしれません。
そうした事を防ぐにはお金の勉強も少しはしておく必要があります。
お金について基本的なことを浅く広く知るには以下の本がお勧めです。
この本では、社会保障制度に関すること、賃貸・持ち家、NISA等の投資に関して知る事ができます。
お金に関する勉強は、学校や職場で教わる機会が無いため、自発的に動かない限りほとんど接する事がありません。
書籍などで自分から勉強する必要があります。
まとめ
本記事では、システムエンジニアになる予定の人が入社前にやっておいた方が良い事について書かせて頂きました。
ポイントは以下です。
- 応用情報技術者レベルの知識の獲得
- ITで自分がやりたい事を考え、挑戦する
- 交友関係を深めておく
- お金の勉強をしておく
ご参考になりましたら幸いです。
以上
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