転職をする時、何をどう考えて転職先を決めるか悩まれる人も多いと思います。
例えば、業界の成長性であったり、自分のこれまでの経験が活かせるか等で悩みますよね。
私の同期で同時期に転職していった2人がいるのですが、その2人は対照的な考えで転職活動を行いました。
2人を見ていると、転職活動で大事なのは「気持ち」だったと感じます。
なぜ転職活動で大事なのは「気持ち」なのかを2人のエピソードをもとにお話しします。
同期2人の転職について
1人は満足し、もう1人はまた転職しました
私の同期の2人は27、8歳頃に転職していきました。
2人ともSEとして働いていて、同じ業界内で転職しました。
転職はして行きましたが、今でも同期の飲み会に来てくれるので、年に1度くらいの頻度で会います。
転職のその後の話を聞いていると、1人は満足していて、もう1人は満足行かずにまた転職していました。
満足行く転職をした方をU君、転職に満足行かなかった方をS君としてお話します。
今風なタイプのS君の転職
S君の人物像
S君は情報系の出身で、学生時代に高度情報という難しい試験を取得していた優秀な人です。
一緒に働いたことはないのですが、S君の先輩から聞く話では、課内でも優秀な人物との評判だったそうです。
そんな良い評判を持つS君ですが、口癖は「働きたくねぇ」です。入社してからずっと言っていました。
ガツガツした感じは特に無く、コスパ重視、付き合いよりは自分の時間を優先するタイプです。
根は悪くないのですが、ちょっとドライな今風の子、という感じです。
S君が転職した理由
S君が転職した理由は大きく2つあります。
1つ目は、残業時間が多いこと。2つ目は、上司との人間関係です。
S君が転職する直前は大体、80~120時間程度の残業を行っており、リフレッシュの時間を持てない事、プライベートで勉強できない事を悩んでいました。
また、残業続きで体調を崩した際に、上司から「自己管理が出来てないから風邪を引くんだ!」と怒られたそうです。
80時間以上も残業していれば、体調を崩すのは無理ないですし、「大丈夫?」と心配するのが普通ですよね…
こうした事が積み重なって転職を決意したそうです。
S君が転職するときの考え
ちょっとドライなS君が転職をする時には、以下のようなことを考えたそうです。
- 高度情報資格のうち「情報セキュリティスペシャリスト」という資格を持っているので関連分野への転職ができないか
- セキュリティ人材は業界内で不足しており、採用されやすい
- セキュリティは今後もニーズがある分野であり、安定的に稼げそう
こうした事を考えた結果、転職で重視する条件は以下に決めたそうです。
- セキュリティ分野の企業
- 残業は少な目の企業がよい
- 時給換算での給与では下がらない事
IT系は人手不足という事もあり、見事にS君は上の条件を満たす企業に就職しました。
自分のスキルや業界について分析した結果と言えます。
S君はなぜ再度転職をしたか?
S君は一旦は満足しますが、職場での人間関係やら、福利厚生やらが満足行かずに再度転職をしました。
S君の話を聞いていて感じたのは、論理的に転職活動を進めたけど、自分が何をやりたいのかという気持ちの部分を重視していなかった事です。
S君の口癖「働きたくねぇ」から分かる通り、あまり仕事に情熱を持つタイプではありません。
要領良く転職はしましたが、全力で仕事に取り組めるかどうかを重視しなかったため、また転職する事になったと分析しています。
みんなで盛り上がるのが大好き、フィーリング重視のU君の転職
U君の人物像
U君とは新人研修の頃、同じチームで研修を受けました。
印象としては、積極的にリーダー役をやる、前に出て行くタイプの人です。
プライベートでも、友人と旅行に出かけたり、飲み会を主催するのが好きな社交的な人物です。
みんなでワイワイ盛り上がるのが好きな、フィーリングを重視するタイプの人間です。
U君が転職した理由
U君は社内恋愛をしており、結婚という段階に進みました。
ただ、この時にトラブルがありそれが原因で辞める事になりました。
U君の交際相手は、U君より2年後輩の他部署の子だったのですが、結婚する前にうつ病になってしまいました。
うつ病から長期休職状態になりましたが、U君の気持ちは変わることなく、結婚して支えていくつもりでした。
2人はめでたく結婚式を挙げたのですが、彼女の上司に式への出席を依頼した所、「なんでうつ病になるヤツの式にでないといけないの?」と出席を断られてしまったそうです。
部下がうつ病になると、上司は管理能力を問題視されて評価が下がるという背景はあるにせよ、あんまりじゃないですか…
S君の上司といい、ウチの会社の上司の人間性はどうなっているのか…(泣)
U君は場の雰囲気を重視するタイプの人ですが、流石にこの対応にはキレました。
「こんな人達と同じ会社で働きたくない!」と辞表を叩きつけ、転職して行きました。
U君が転職する時の考え
U君の話を聞いていると、転職する時に胸に刻んでいたのは「あいつらを見返してやる!」という気持ちでした。
例の上司の事でかなり腹を立てた様で、「あの人達よりも大手の企業に入社して、出世してやる!」という考えで動いていました。
結果、U君は大手では有りますが、激務とも聞くF社に転職を決めました。
業務内容を聞きましたが、U君のこれまでの業務や資格とは関連性があまり無い分野だったので、やる気採用だった様です。
U君は何故転職に満足したか?
U君は転職に求める物が明確でした。
「大手企業に行ってバリバリ働いて、あいつらを見返してやるんだ!」という野心です。
もし、コスパ良く稼ぐ事を考えていたら、激務と聞くF社には行かなかったはずです。
転職して新しく覚える事や人間関係で苦労する事もあった様ですが、自分が譲れない部分は満たされていたため、満足した様です。
転職で成功するために大事にする考え
同期2人の転職から言える事
転職する時は誰でも、できれば要領よく行きたい、効率的に転職したいと思うのではないでしょうか。
効率的に転職するために、自分のこれまでの実績をベースに、今後できるだけ伸びそうな企業はどこかと考えるのではないでしょうか。
ですが、それよりも大事なのは「自分が転職して何をしたいか」です。
転職すると、新しい仕事を覚えたり、人間関係を築いたりと苦労する事は多いです。
効率重視の考えだと、現職にとどまった方が良い場合もあります。
転職して、その後の人生を満足するものにするには「自分はこうしたいんだ!」という事を決める必要があります。
U君の「バリバリ働いて出世する」という考えには賛成できない人もいるかもしれません。
仕事のモチベーションは人それぞれでしょうが、あなた自身がやりたいと考える仕事に就職する方が、コスパを重視して就職するより満足できる結果になるとは思いませんか?
これまでの経験がどうとか、保有スキルとの相性よりも、本当は何がしたいかを考えるべきです。
転職は一大イベントなので、慎重にいろいろ検討したくなるかもしれませんが、そんな時こそ気持ちを大事にして決めるべきでは無いでしょうか。
因みにですが、2人が使っていたのは、マイナビエージェントとリクルートエージェントだそうです。
取り敢えず大手の転職エージェントという事でこの2つを使用していました。
本人の考えがしっかりしているなら、エージェントさんとの相性はそれほど重視しなくても良いので、大手のエージェントさんを選んでおくのは妥当な選択です。
この2社は業界内でも大手でり、求人案件が豊富であるため、最初に登録するならこのどちらかにするのがお勧めです。
皆さまの転職活動のご参考になれば幸いです。
以上
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