「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」はタイトルは前々から知っていましたが、ただの啓発本の1つだろうと思っていました。
おそらく「ストレスにはポジティブな面もあるから頑張ろう!」という内容だろうと。
ある時、Amazonで別の商品を閲覧していた時に、たまたま関連商品として本書が紹介されました。
なんとなくサンプル版を読んだところ、続きが気になったので購入して読むことにしました。
興味深かったのが、ストレスと寿命に関する実験結果です。
他にも様々な実験があり、本書を読んでいる内に私のストレスに対する認識が変わりました。
ストレスに対する認識が変わる事で、ストレスを感じる事自体も減ったと実感しています。
いきなり指摘されたストレスの偏見
本書の序盤では、「ストレスは体に悪いゆうけど、あんたらホンマに実験して確かめたんか?」と言った事を確認しています。
ストレスが体に与える影響を調査するために、ラットによる実験がよく使われてきました。
ただし、この点に関する指摘が本書の中でありました。
突然、何度も容赦なく電気ショックを与えられる。
つぎに水の入ったバケツに投げ込まれ、溺れそうになるまで泳がされる。
(中略) これはストレスなどではありません。ラット版「ハンガー・ゲーム」です。
(スタンフォードのストレスを力に変える教科書 ケリー・マクゴニガル)
我々が日常生活と比べても、流石にここまでハードな生活を送られている方は滅多にいないのではないでしょうか。
つまり、「ストレスは体に悪いちゅう結果が欲しくて、ありえへん苦痛をネズミさん達に与えとったんや。そっから得られるんは偏見ちゃうん?」という訳です。
我々は自滅しているだけだった…
本書の中で紹介している実験結果では、「あんたらストレスで寿命が縮む思うとるん?それ迷信やで(笑)」といった内容がありました。
死亡リスクが高まったのは、強度のストレスを受けていた参加者のなかでも、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだけだったのです。
(スタンフォードのストレスを力に変える教科書 ケリー・マクゴニガル)
これまでストレスを感じた時に「こんなにストレスばっかり感じていたら、寿命が縮んでしまう」と思っていなかったでしょうか。
私は仕事でストレスを感じている時に「寿命が縮む…」と思っていました。
そして、寿命が縮むというストレスがさらにストレスになって…、という負のループにはまる事もありました。
ですが、実験の結果では、ストレスで寿命が縮まったのは、ストレスが体に悪いと思っている人だけでした。
ストレスが体に悪いという認識を持ったせいで自滅をしていた訳です。
本書の中では他にも「あんたら、ストレスに対する認識、間違えまくりやで」といった調査結果を示してくれています。
自分で自分の首を絞めていただけだったとは…
ストレスに悩む人にすぐにでも本書を読んで欲しい理由
本書は、「ストレスにも良い面はあるし頑張ろう!」といった自己啓発本ではありません。
調査や実験結果をもとに、我々のストレスに対する誤った認識を修正するための科学的な本です。
ストレスが体に与える影響は、上で紹介したストレスと寿命の関係にもあるように、考え方1つで悪い物へと変わります。
本書の中では、ストレスと寿命に関する調査だけでなく、他にも様々なストレスが我々に与える影響について、目から鱗な調査結果・実験結果が紹介されています。
本書を1ページ、1ページ読み進めて行く事で、我々のストレスに対する認識を修正する事ができます。
そして、ストレスに対する正しい認識を身に付ければ、その知識は一生使えます。
ストレスに苦しめられるか、ストレスと上手く付き合っていけるかの違いが何十年も積み重なるとどうなるでしょうか?
単に、寿命が縮む事以外にも多くの効果が得られると思いませんか?
もし、ストレスに悩まれている場合、今度ヒマな時に読むのではなく、直ぐにでも読む事をお勧めします。
人間の思い込みの力は大きいのですが、ストレスに関してマイナスの思い込みが多過ぎるせいで損をしてしまっています。
おわりに
人間、生きているとストレスを受ける事は避けられません。
ストレスを受ける事は避けられませんが、ストレスに対してどう反応するかは我々が決める事ができます。
ストレスの無い人生は無理でも、ストレスで消耗しない人生なら送る事ができます。
本書は、スタンフォード大学で実際に行われている「ストレスの新しい科学」という講座の内容を基にしたものです。
この講座を受けた人は、配偶者の死や不安障害といった、人生の中でも最もひどいレベルのストレスを克服するのに役立ったと評価しています。
ストレスとの悪くない関係を築きたい方は、本書を熟読される事をお勧めします。
余談ですが、私は仕事のストレスを何とかしたくて本書を読みました。
読んだからといって、当然、仕事の内容自体が変わる事はありません。
ですが、ストレスが悪者だという思い込みが無くなったため、ストレスフルな状況でも冷静に職務を遂行できる様になったと感じています。
損はさせません!無料のサンプル版だけでも良いので、読んでみて下さい!
ご参考になりましたら幸いです。
以上
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