頑張ろうと思っても頑張れない時ってありませんか?
そんな問題をどうにかできないかと思い、「やってのける 意志力を使わずに自分を動かす」という本を読んでみました。
この本の中に、意志力に関する内容で興味深い話があったので、内容を紹介させて頂きます。
意志力の消耗について
アメリカ大統領ですら禁煙に失敗する
第44代アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマ氏は、有色人種で初めてアメリカ大統領になった人物です。
世界でトップの権力者と言っても過言ではない地位に上り詰めた人物なら、意志力も常人とは桁違いと思います。
ですが、オバマ元大統領は何度も禁煙宣言をしては失敗を繰り返している人物として、アメリカの新聞にも取り上げられています。
なぜオバマ元大統領であっても禁煙に失敗するのか?
心理学的な実験によって、意志力に関して次の様な事が分かっています。
- 買い物などのちょっとした判断などでも、多くの意志力が消費される
- お菓子を我慢する等の自制心を使った直後では、パズル等の難しいタスクに取り組むのが困難になる
- ストレスに逆らって何かに取り組み、自制心を消耗すると、他の目標の達成が難しくなる
オバマ元大統領の様に、人並み外れた意志力を持っている人物であっても、大統領の仕事の様な激務を行うと意志力を消耗してしまいます。
仕事で消耗してしまうと、喫煙の誘惑にあらがうだけの意志力が残っておらず、タバコを吸ってしまうという訳です。
意志力の消耗にどう対処すべきか?
最善な方法
理想的には、下の様な方法があります。
- 疲れてしまった時は、ゆっくり休む
- 朝の時間を大切にする
とはいえ、それが出来たら苦労はない、というのが現実ではないでしょうか。
そうした人のために、次善的な方法を紹介させて頂きます。
消耗した意志力を回復させるには?
簡単にできる方法が2つあります。
①意志力が強い人物を思い浮かべる
これは意志力が人から伝染する性質を利用した物です。
心理学の実験では、頑張っている人、努力家だと思う人を思い浮かべるだけで、自制心が強くなり困難なタスクにも長く取り組めるようになったというデータがあります。
有名人、友人で意志力が強い、努力家だと思う人を思い浮かべましょう。
②血糖値を高くする
多くの実験で、自制心が必要な行動をとると、血糖値が有意に下がるという結果が得られています。
砂糖の入ったジュースを飲むと、前の課題で自制心を消耗した人が、正確さと粘り強さが求められる課題で、自制心をまったく消耗していない人と同等の結果を出しました。
このように、糖分を取る事で一時的に自制心を高める事ができます。
お勧めなのは食事でタンパク質と糖質をバランスよく食べる事です。
これにより長い時間血中の糖分を維持出来ます。
意志力を鍛える簡単な方法
自分がもっている意志力を強くしておく事で、意志力を枯渇し難くする事もできます。
意志力とは、筋力の様に鍛える事で強くする事ができます。
例えば、次の様な実験があります。
二週間「甘いものを控える」と「ハンドグリップ(握力を鍛える器具)を握る」のとちらかを行わせるという実験をしました。
甘い物を控えるグループには、お菓子やデザート類をできるだけ食べないよう伝えました。(誘惑に耐えてもらう)
ハンドグリップのグループには、自宅で1日2回ハンドグリップ限界の回数まで握るよう伝えました。(身体的苦痛に耐えてもらう)
二週間の鍛錬が終了したところで、被験者にコンピューターを用いた集中力を要する課題を行わせたところ、大きな改善があったことがわかりました。
ハンドグリップを限界まで握り込むのは、座ったままでも出来ますし、1分も握っていれば筋肉を追い込めます。
私は会社にシリコン製の握力を鍛えるグッズを置いて時々握っています。
「筋トレをして人生が変わった!」という人がいますが、あれもあながち嘘ではない様です。
自制心の人生に与える影響は大きく、学校の成績ですらIQよりも自制心に影響されるという研究結果がある程です。
まとめ
本記事をざっくりまとめます。
- 自制心を使うと、意志力は弱まり誘惑に負けやすくなる
- 血糖値を高くしておく方が、意志力の必要な作業を行いやすい
- 意志力は、ハンドグリップを握り込む等の簡単な行為で鍛える事ができる
書籍「やってのける 意志力を使わずに自分を動かす」には、他にも
- やる気の出る目標の立て方
- 性格に応じた目標の立て方
- 学生や部下にやる気を出してもらうにはどうすれば良いか
- 無駄な努力を続けてしまう理由と対策
といった内容が紹介されているので、ご興味のある方はどうぞ。
ご参考になりましたら幸いです。
以上
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