私はSEとして働いて11年目ですが、特に入社2~3年目の頃はSEとしてのキャリアプランが描けずに悩むこともありました。
キャリアプランは、何が得意か・何が好きか・将来の理想は何か、によって人それぞれ変わるものなので、絶対的な正解はありません。
つまりは絶対的な正解は無いなかで、人それぞれ自分で、自分のキャリアプランを考える必要があります。
自分で考えるために必要なことの1つが、情報のインプットです。
本記事では、特に若手エンジニアに向けて、私が実際に読んだ本の中から SEのキャリアプランについて役に立つ本を紹介します。
エンジニアのためのマネジメントキャリアパス
SEとして働かれている人の多くは、マネジメントよりもテクニカルなスキルや経験を積みたいという人の方が多いのではないでしょうか。
ただし、日本の会社では役職が上がっていくと、現場から離れてマネジメント中心の仕事になるという傾向があります。
本書がエンジニアにとって参考になる理由は、一般的なキャリア構築の指南書ではなく、技術が分かる管理職(技術系管理職)としてのキャリア構築についての指南書だからです。
具体的には以下の様なことが書かれています。
- 入社5年目程度までにやっておくべきエンジニアとしての基礎
- 開発も調整役もやるテックリードという立場
- すごい上司とひどい上司の違い
マネジメントか現場の担当かで悩まれている人には、本書で紹介されているテックリードという役割を視野に入れて頂くことをお勧めします。
テックリードとは(ソフトウエアの)開発チームに対する責任を担い、最低でも自身の職務時間の3割はチームと共にコードを書く作業に充てているリーダーのこと。
テックリードとして必要な要件は以下であると述べられています。
- 話し合いの場でチームの代表を務めることができる
- プロジェクト管理の大部分を行う能力がある
- 技術的に卓越している必要は無い
テックリードは完全にマネジメントだけをやる職ではないが、マネジメントに重きをおいた開発メンバーという立ち位置です。
本書は米国のエンジニアが書いた書籍であるため、日本企業ではあまり馴染みのない役職が出てきます。
ただし、日本もこれまでのメンバーシップ型雇用から、ジョブ型雇用へ変化しつつあり、今後の潮流を意識するという意味でも参考になる書籍です
科学的な適職
就職して1,2年もすると、自分はこの会社でずっと働き続けても良いのか疑問に感じて来る人もいると思います。
今いる職場よりもっとスキルを高められる会社や、自分のやりたい事ができる会社に転職したいと思っている人は、先ずは本書を読むことをお勧めします。
というのも、我々は間違った基準で仕事を選んでしまう事が多いためです。
本書では、仕事を選ぶときに「好きを仕事にする」「給料の多さで選ぶ」といった基準で選択すると後悔するということが書かれています。
例えば、好きを仕事にした場合には以下のような問題があります。
- 仕事で面白くないことがあった際に「本当はこの仕事が好きではないのかもしれない…」等の疑念が生じやすい
- 疑念から仕事に打ち込むことができなくなり、仕事で成果を上げたり、スキルを身に付けることが難しくなる
本書では幸福度を高めるための仕事の選び方として下記の7つを挙げています。
- その仕事に裁量権はあるか
- 前に進んでいる感覚は得られるか
- 自分のモチベーションタイプに合っているか(障害のある中でも安定した結果を出すことに注力できるタイプ/最高の結果を出すために最善をつくすタイプのどちらに近いか)
- なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか
- 作業の内容にバリエーションはあるか
- 組織内に助けてくれる友人はいるか
- どれだけ世の中の役に立つか
統計データを用い、どうすれば幸福に働けるかを解説してくれています。
仕事を通じてどうなりたいか、どんな風に働きたいか、といったキャリアプランを考える上でのゴールの設定に役立つ情報がまとめられています。
頑張ってスキルを身に付けたり、沢山の仕事をこなしてきたけれど、40歳50歳になって振り返ってみると何か違ったという事にならないためにお勧めしたい書籍です。
転職の思考法
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
キャリアプランを考える上で重要なのが、どうすれば自分の市場価値を高めることができるか?ということです。
本書は転職ノウハウ本ではなく、自分の市場価値を高めるためにはどういう思考で動くべきかという視点で書かれた本です。
このため、転職する可能性のあるすべての人にお勧めしたい本です。
本書の中で特に参考になった点を3つ紹介します。
- キャリアで重視すべきなのは、20代では専門性を磨けること、30代は磨いた専門性を基に経験を積めること
- 専門性は当人の才能による部分が高いが、経験はどこで働くかという後天的なもので身に付けることができる
- 会社の強みと自分の強みが一致する方が、裁量を得やすい(会社の中でも強みとなる部署には大きな権限が与えられるため、その部署に所属する方が最良を得やすい)
転職に関する知識もつけることができるため、今すぐに転職をするつもりが無い人も読んでおくといずれ役に立つかもしれない内容になっています。
エンジニアのキャリア構築について、実際に私が読んだ本の中から紹介させて頂きました。
ご参考になりましたら幸いです。
以上
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