IT系の資格として最も有名なのは、ITパスポートや基本情報技術者試験などの、情報処理技術者試験といっても過言ではありません。
というのも、IT系で働く人ならほぼ全員が知っており、多くのIT系の企業で取得を推奨されており、本屋でもIT系の本が置いてあるお店ならほぼ必ずテキストや問題集が置かれています。
ただ、情報処理技術者試験には区分やレベルが色々とあるため、どれから受けるべきか迷われる人も多いと思います。
私はIT系の企業に10年以上勤務しており、情報処理技術者試験では下記の資格を保有しています。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- 情報処理安全確保支援士
- ネットワークスペシャリスト
- プロジェクトマネージャ
本記事では、これから情報処理技術者試験を受ける人に向けて、
どの試験から受けるべきか書かせて頂きます。
情報処理技術者試験の区分一覧
情報処理技術者試験は、難易度に応じてレベル1~4に区分けされています。
各レベル毎の試験は下記の通りです。
ITパスポート、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験はITの全般的な知識が問われます。
レベル4の試験は、まとめて高度情報区分とも呼ばれます。
レベル4からは、特定分野毎に分かれた試験となっており、自身の興味やキャリアプランに沿って好きな試験を受験します。
各区分の難易度について(あくまで私の個人的な感覚)
試験は、レベルが上がるごとに難易度が上がると思って頂いて良いです。
あくまでレベル2~4までを保有している私の個人的な感覚ですが、
もし仮に、基本情報技術者試験に1カ月の勉強で合格する人の場合、
レベル1を合格するのに必要な勉強期間は1~2週間、
レベル2に合格するのに必要な勉強期間は1カ月、
レベル3に合格するのに必要な勉強期間は3カ月、
レベル4に合格するのに必要な勉強期間は4カ月、という感じです。
(レベル1は保有していませんが、試験問題やテキストを見た感覚としてです。)
ITパスポート→基本情報技術者試験→応用情報技術者試験は、同じ試験範囲で、出題される問題の難易度が上がっていくとイメージして下さい。
高度情報区分は、各専門分野に分かれるため、人によって難易度の感じ方はそれぞれだと思います。
レベル2の基本情報技術者試験と、レベル3の応用情報技術者試験の間にはちょっとした溝がある感じです。
私の場合、基本情報技術者試験は1か月で合格できましたが、応用情報技術者試験は3か月間勉強しました。
逆に、高度情報区分は応用情報技術者試験よりは難しかったですが、レベル4に挑戦する頃には情報処理技術者試験のコツも掴んでくるため、難しくはあるけれど勉強すれば何とかなるという感じでした。
単純な試験範囲では、各専門分野に分かれている高度情報区分よりも、応用情報技術者試験の方が幅広く勉強量としては少なくないため、応用情報技術者試験はナメてかかると普通に落ちます。
どれから受けるべきか?
これは私の勤め先(某ソフトウエア会社)の人事担当が言っていたのですが、「ITパスポートはITを専業にする人達にとっては基本的な内容過ぎるので保有していても評価しません。」と。
ITパスポートは、基本は非IT系の人向けの試験と思って頂くのが良いです。
このため、どこから受けるべきか?という疑問に対しては、以下の回答をします。
- 非IT系の人で教養として勉強したい人:ITパスポート
- IT系の企業を志望する人:基本情報技術者試験
- IT系の会社に勤めている人:基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、午後試験にプログラミング問題が出るため、IT系の企業では一定の指標として見てもらえます。このため、持っていると就職の際にアピールのネタの1つにできます。
また、やる人は少ないですが、応用情報技術者試験から受けても合格することは可能です。
ただ、高度情報区分をいきなり受けるのはあまりお勧めしません。その理由は2つあります。
- 応用情報技術者試験か高度情報区分の1つに合格した人なら、合格後の2年間は高度情報区分の試験の一部の試験を免除されるため(高度情報区分の試験は、午前1・午前2・午後1・午後2という4部構成になっており、合計5時間と非常に長丁場の試験です。免除制度を使えば、午前1(試験時間50分)は免除されるため、その分、有利に受験することができます。)
- 情報処理技術者試験には勉強のテクニックがあり、応用情報技術者試験を受けておいた方が、コツをつかみ易いため
以下に、ITパスポート試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験の勉強法等について書かせて頂きました。
高度情報区分を受けるならどれから受けるか?
基本的には、自分の業務に一番近いものから受験することをお勧めします。
多くの企業では、資格をただ持っているだけではあまり評価されず、自分の業務経験と併せて評価されるものだからです。
例えば、ネットワークスペシャリストの資格を持っていても、ネットワーク系の業務を未経験であればネットワークに関しては知識はあるけれども、素人よりは詳しい程度という扱いです。
また、高度情報区分は論文系とテクニカル系(スペシャリスト系)の2つに大別されます。
- 論文系
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
- テクニカル系
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- 情報処理安全確保支援士試験
高度情報区分はどの試験も以下の4部制になっていますが、論文系は午後2試験が論文試験であり、テクニカル系は記述試験(問題文を読み、設問に対する回答を記述する試験)です。
- 午前1(マーク式試験)
- 午前2(マーク式試験)
- 午後1(記述試験)
- 午後2(記述試験か論文試験)
最初の高度区分は個人的にはテクニカル系をお勧めします。
両方受けた感想としては、テクニカル系の試験は応用情報技術者試験の該当区分をそのままレベルアップした様なイメージで受験できる分、勉強しやすかったからです。
論文系もコツを掴めば難しくはないですが、論文に特化した勉強をするのが難しく感じました。
論文系は、論文に特化した対策、つまりは試験に合格するための勉強をしないといけない分、面白さという意味でもテクニカル系の方が面白いです。(個人的な感想ですが。)
因みにですが、よく言われるのは、テクニカル系だとネットワークスペシャリスト試験が最難関、論文系だとシステム監査技術者試験が最難関だと言われています。
以下に私が高度情報区分の試験を受けた際の、勉強法について書かせて頂きました。
ご参考になりましたら幸いです。
以上
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