投資家としてはまだまだ初心者の域ではありますが、勉強として銘柄分析にも挑戦して行こうと思います!
今回選んだのは「楽天」です。
楽天の株価の傾向
楽天の株価は2015年に1株2000円を超えた後、下降トレンドに入り、現在は1株700円代です(2018/7/6)。
楽天の株価が下落気味な理由は主には以下と考えています。
・2015年に発表された公募増資の影響
・期待先行で盛り上がり過ぎていた(?)
・ネットショッピングでAmazon、Yahooに押さている(印象。ただし、実はそんなでも無い)
・携帯事業参入で多額の資本を投入する必要がある
・純利益が増えても配当が増えない
一方で、楽天の強味、株価上昇の要因には以下があると考えています。
・楽天カードの普及率の高さ
・なんだかんだネットショッピングの大手
・ショッピング、旅行、カード、ケータイ等と楽天経済圏のシナジーが発揮されれば、かなり強い会社になりうる事
・携帯事業が軌道に乗れば株価も大幅上昇する可能性がある事
街中でも楽天ポイントが1%以上貯まる様になってきたため、今後も楽天経済圏は徐々に拡大していくのかと思っています。
投資する上で気になる点:自己資本率の低さ
18年3月期の報告では、自己資本率は9.6%とあります。
自己資本率の目安は次の様に言われています。
自己資本率 | 経営状態 |
70%以上 | ほぼ無借金経営 |
50%以上 | 自己資本率の上では優秀 |
20~50% | 一般的な企業の相場 |
10~20% | やや危険域 |
0~10% | 資本欠損(会社スタート時に持っていた資産よりも、資産が減っている)可能性あり |
マイナス | 債務超過 |
自己資本率だけで見ると、楽天は決して安定優良企業とは言いにくい状態です。
ただし、会社が成長していくためには、新事業に投資をしていく必要もあります。
楽天の様に手広く挑戦していく企業であれば、ハイリスク・ハイリターンな事業戦略をとっているため、自己資本率が低くなるのはやむ負えない部分もあります。
ちなみに、「大借金経営」と呼ばれるソフトバンクですら自己資本率は16%あるので、9%は攻めすぎな気がします。
それでも、別の観点として、楽天は「楽天銀行」があります。
日本の銀行の自己資本率の平均は9%程度なので、楽天を金融事業者と考えれば9%は普通となります。
この辺り、経営が多角化している企業は分析が難しいです。
財務諸表について
2018年3月31日時点での情報です。
ざっくりとした情報を見ると以下です。
資産合計:6,501,176(百万円)
流動資産合計:1,381,929(百万円)
負債合計:5,875,544(百万円)
合計で見ると一応、資産の方が上回っています。
ただし、流動資産合計<負債合計であり、財務からは割安とは言い難いと考えます。
株価指標
2018/7/6終値時点での情報です。
PER:13.43
PBR:1.45
情報系産業でPERが13はかなり割安感があります。
ただし、上でも書いたように、金融業と考えるならばPER13は割高にあたる数値です。
配当+優待利回り
楽天は株主優待があります。「抽選で楽天イーグルスグッズをプレゼント」等の不確定要素・現金換算価値の分からない物を除外した優待は以下です。
①楽天市場 200円クーポン×4枚
②楽天トラベル 国内宿泊クーポン 2000円相当
①+②で2800円相当の優待です。
また、配当は1株4.5円(予定)なので、100株で450円です。
配当+優待=3250円なので、多くの投資家が目安とする「配当+優待=4%」になる株価は8万1250円です。
現在(2018/7/6終値)の株価が736円なので、配当+優待利回りは4.4%とお得感があります。
キーとなるのはやはりケータイ事業
楽天は7年間でケータイ事業に6000億円の投資をする計画です。単純に年平均すると、857億円/年 を投資する計算です。
857億円とは凄い金額です。
楽天の2017年の純利益が約1100億円なので、純利がこのままなら、毎年の純利益の8割程度がケータイ事業に投資される計算です。
一応、純利益の方が投資額を上回るので、失敗しても倒産にはならなさそうですが。5,6年分の純利益が吹っ飛ぶ計算です。
まとめ
配当+優待利回りが4%を超えているのは魅力ですが、他の指標等を見る限りでは、特別割安であるとも言えないと考えます。
ケータイ事業で失敗しても倒産はしないでしょうし、成功する事に期待してホールドし続けるのもアリかもしれません。(オススメしている訳では無いです。)
投資は自己責任でお願いします。
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