「お金に関する本でお勧めは?」
この質問を “お金に詳しい人” にした場合、1番目ではないにしろ、恐らく10番目までには挙げられる本が有ります。
「私の財産告白」は今から70年ほど前に出版された本ですが、本書に書かれている「資産形成の方法」は今でも十分に通じるものがあります。
本書を読んで「サラリーマンが資産を築くためには4つの事が必要である」という考えに至りました。
本記事では以下について書かせて頂きます。
- 「私の財産告白」の著書の資産形成の方法
- サラリーマンが資産を築くために必要な4つの事
「私の財産告白」の著書「本多静六」とはどの様な人?
略歴
- 1866年生まれ
- 1892年、現在の東大農学部の助教授になる
- 日比谷公園の設計、明治神宮の造林を行う
- 研究だけでなく、植林・造園・産業振興などで活躍
- 370冊以上の著書を執筆
資産
庶民ながら、倹約・勤勉・投資に励み、現在の価値で 100億円以上 の資産を築きました。
本多静六氏の資産運用について
本多氏は「貯金」「投資」「副業」により財産を築きました。
具体的な方法について以下に書きます。
本多式四分の一貯金法
本多静六氏が資産運用をやるために最初にしたのが「貯金」です。
貯金のルールを決めて、しっかりとお金を貯めて行きました。
そのルールとは次の3つです。
- 毎月の給料の手取りの1/4を貯金する
- 利子については1/4を貯金する
- 賞与・手当・副収入等の臨時収入は全て貯金する
ルールとしては簡単ですが、所帯持ちであったため、特に奥様には苦労をかけられた様です。
投資
投資としては主には次の2つを行われていました。
- 山林投資(割安な山林を買っておく)
- 株式投資(公共事業に関連する企業に投資)
「山林投資」は本業である「造林」を生かした投資です。
また、株式に取り組んだのは、銀行金利よりも割が良かったからだそうです。
副業の推奨
本多氏は本業を頑張る事を前提で、副業も推奨しています。
本書の中では以下の様に記載されています。
勤労生活者が金を作るには、本職のたしになり、勉強になる事柄を選んで、本職以外のアルバイトにつとめることである
2017年頃からようやく大手の企業では副業解禁の流れになりましたが、それより50年以上も前の東大教授が副業を推進していたというのは面白いです。
本多氏自身は副業として以下のことをしていました。
- 東京都等の諸官庁の嘱託(非正規職員)
- 早稲田大学等の講師
- 民間実業家の財務、事業相談
- 執筆活動
サラリーマンが本多静六氏を真似するならば?
本書での本多静六氏の財産形成のポイントは下の4つです。
- 貯金
- 職業の道楽化
- 副業を行う
- 資産運用を行う
これらについて真似する事を考えましょう。
貯金
先ずは「本多式四分の一貯金法」をそのまま真似てみるのが良いと考えます。
手取りが20万の人なら5万円、30万の人なら7万5000円を貯金するといった具合です。
独身者であれば不可能ではないです。
職業の道楽化
昨今の潮流には合わないかもしれませんが、本多氏は「出世して所得を増やす」という事も重視していました。
そのために必要なのが「職業を道楽化する」事です。
職業を道楽化する方法はただ一つ、勉強に存する。努力また努力のほかはない。
上記は本書からの引用ですが、耳の痛い話です。
山林投資で儲けることが出来たのも、本業で得た「造林の知識」や「研究に役立つ事を探す探求心」の結果であると言えます。
ピーターリンチというアメリカの投資家も「自分の仕事に関連する企業に投資することでプロ投資家に勝つチャンスが十分にある」と述べています。
本業で得た能力をうまく使う事で、収入の幅を広げることも出来るという事です。
副業を行う
上でも述べた通り「本業の足しになる事」、「勉強になる事」を副業とする事を推奨しています。
サラリーマンが真似をするなら、就業規則にもよりますが、以下が良いと考えます。
- 本業に関連したアルバイトを行う
- 本業に関連した事を勉強し、Webサイトを構築して情報を発信する
本多氏は執筆活動を日課としており、生涯で370冊以上も執筆しました。
普通のサラリーマンがいきなり本を出すのは難しいでしょうが、ブログ等なら出来ます。
例えばですが「防災グッズ」に関するブログを書き続けて、防災グッズのスペシャリストとしてのポジションを確立したサラリーマンの方もいます。
仕事に関連する(関連しそうな)分野についてブログを書き続けてみるのも良い考えと言えます。
資産運用を行う
本多氏は株式投資を行っていましたが、大まかな投資戦略は以下です。
- 証拠金取引はしない
- 公共事業等に投資し、日本の成長と共に利益を得た
- 不況、災害時に株価が暴落したら積極的に買い増した
この投資法を知った時は「米国のディフェンシブ銘柄投資だ!」と思いました。
当時は日本も富国強兵で伸びていた時代ですが、バブル期以降は人口も停滞し、成長のパワーはあまりありません。
この様な時に、公共事業に関連した株に投資してもあまり儲かるものではありません。
逆に、米国は”世界の産業の中心”として伸び続けています。
世界に分散投資しつつですが、米国の安定した企業に投資するというのはジェレミー・シーゲル氏も推薦する手法です。
まとめ
まとめさせて頂くと、本多氏を見習うなら以下を行えば良いです。
- 毎月の給料の1/4 と その他の収入 は全て貯金する
- 本業のスキルを上げる勉強をする
- 本業に関連した副業を行う
- 投資を行う
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以上
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