すみません、タイトルに若干正確でない部分があります。
読んだのは「影響力の正体」という本です。
ただし、「影響力の武器」と「影響力の正体」を比較すると、「影響力の正体」で良いです。
本記事では
- 「影響力の武器」ではなく「影響力の正体」をお勧めする理由
- 「影響力の正体」のレビュー
を書かせて頂きます。
「影響力の武器」を電子書籍で読むなら「影響力の正体」で良い理由
「影響力の武器」は電子書籍化されていませんが(2018/12現在)、「影響力の正体」はKindleで電子書籍化されています。
下の表で、この2冊の違いをまとめました。
タイトル | 影響力の武器 | 影響力の正体 |
著者 | ロバート・B・チャルディーニ | ロバート・B・チャルディーニ |
原著 | INFULUENCE The Psychology of Persuasion | INFULUENCE The Psychology of Persuasion REVISED EDITION (REVISED EDITIONとは改訂版の意味) |
章構成 | 第1章 影響力の武器 第2章 返報性 第3章 コミットメントと一貫性 第4章 社会的証明 第5章 好意 第6章 権威 第7章 希少性 第8章 手っとり早い影響力 | 第1章 影響力を与える 第2章 恩義 第3章 整合性 第4章 社会的な証拠 第5章 好意 第6章 権威 第7章 希少性 おわりに とっさに影響をおよぼす |
著者は同一人物、章の構成もほとんど同じ、原著は「REVISED EDITION(改訂版)」が付いているかどうかの違いです。
私は本はKindleで読む方が好きなので、「影響力の正体」を電子書籍版で買いました。
影響力の正体はどんな人にお勧め?
ズバリ、社会人の人なら全員にお勧めです。
「影響力の武器」、「影響力の正体」という書名からは、
「誰かに影響力を持ちたい人が読む本なのでは?」と思われるかもしれません。
ですが、全ての人が注意すべき事は、心理学的なテクニックを使って操られない事です。
「影響力の正体」では、企業・セールスマンの販売戦略についても多く記載されています。
もし、ご自身に以下の特徴で思い当たる点があれば、本書から今後の人生で役立つ知恵を得られるかもしれません。
- 基本的に面倒臭がり屋
- 本当は言いたくないのにYESと言ってしまう事がある
- 元々は予定していなかった出費をしばしばしてしまう
- 経済的に非合理的な判断をしてしまう
- 深い理由はないけれど、ずっと買っている商品がある
「返報性の原理」、「希少性の原理」などはご存知の方もいると思います。
小さくても借りを作ると何か返さないといけない気がする、珍しい物はつい欲しくなる、といった心理学的な原理です。
そうした、よく聞く一般的な原理ですら、使い方によっては大きな効果を得る事が出来ます。
本書では、その具体例として「返報性の原理」を利用し、米国のカルト教団が莫大な寄付を集めた事例が紹介されています。
他にも、各章ごとに心理学的な根本原理を1つ紹介し、それを使って他者を上手く操作した企業・団体の事例が紹介されています。
以前、漠然と「賢い消費者になるには、どうすれば良いだろうか?」と思っていました。
企業の心理操作から逃れるという意味で、本書を読むと賢い消費者に近づく事が出来ると考えます。
サラリーマンなら尚更本書を読むべき
私は本書を読んでいて、
「もし自分の上司が「影響力の正体」やそれに類する本を読み、私に心理学的な操作をしてきたら…」
と思うとゾッとしました。
自分の身近にいる人が、心理学的なテクニックを使って以下の様な事をしてきたら怖くないですか?
- 会話をするうちに、Noとは言いにくい状況を作り出す
- 本人には分からない様に、その人の考えをゆがめる
- 冷静に判断出来ない状況を作ったうえで、重要な判断を迫ってくる
上司が心理操作のテクニックを使えば、部下を思う様に説得して、操る事が出来るかもしれません。
(もしかすると、どこかの企業の管理職向けの研修では、都合よく部下を操るためのテクニックを教えているかもしれません。)
私が特に恐ろしいと感じたのは「整合性の原理」です。
人間には自分の発言や行動に一貫性を持たせたい、という思いが有ります。
雑談などから会話をはじめ、油断している時に、相手の都合の良いセリフを言わされると、その後が怖いです。
話の本題に入った時に、その前の雑談の内容と矛盾しない様にと、自ら不利な方へ追い込まれてしまいます。
こうした、心理学を悪用してくる人達から身を守るためには、彼らの攻撃方法を知っておく必要が有ります。
人の操作を受けて自分が本来は望まない判断や行動をしないためには、本書の様な書籍を一読しておかれる事をお勧めします。
以上です
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