IT初心者が独学で応用情報技術者試験の対策をするのに役立つ参考書を紹介させて頂きます!
・分かりやすい教科書、問題集
・苦手分野の補強に使える入門書
・参考書に関する私の失敗談
応用情報技術者試験はIT業界では運転免許の様な試験とも言われています。
試験を通じて、ITに関する幅広い知識を身に付けられるので、是非合格を目指して取り組んで下さい!
試験の特徴から考える対策
試験の特徴
- 午前試験(マーク式)、午後試験(記述式)の2部制
- 午前・午後、どちらも60点以上で合格(片方が59点なら、もう片方が100点でも不合格)
- 午前は過去問からの流用もある(近年は流用の割合が減っている)
- 午後は11題の中から、1題(情報セキュリティ問題)は必須で、後は4題を自由に選択する(ネットワーク、データベース、プロジェクトマネジメント等の10題から選択する)
つまり、午前対策としては広い知識、午後対策は記述試験への慣れが必要です。
応用情報技術者試験の特徴からお勧めする、王道の対策
お勧めする対策を図解化したものが下記です。
- 教科書と午前問題で基礎知識を固める
- 基礎知識がついたら、午後問題の演習をする
- 苦手分野は、個別に詳しい参考書で補強する
独学にオススメ!定番の教科書・午前と午後の問題集
網羅性・分かりやすさ◎のお勧め教科書
紹介しているのは「翔泳社」さんのテキストですが、情報処理技術者試験の対策本を何年も作り続けている信頼できる出版社です。
オススメする理由
amazonでなか見検索をして頂ければ内容を確認出来ますが、私は以下のポイントで本書をお勧めします。
- 図や表を用いて説明しており視覚的に分かりやすい
- 各分野毎に出題される内容が基礎的な事から順を追って整理されている
- 各単元の末尾に過去問が数題掲載されており、知識の確認ができる
- 試験に出るポイント、間違えやすい箇所が補足事項として記載されている
この1冊を読み込んでおけば知識の整理としては問題ないです。
全くの初心者の方でも先ずは1回この教科書を読む事をお勧めします。
最初の1回目は難しく感じるかもしれませんが、合わせて午前問題を解いたり、2回、3回と本書を読めば、重要なポイントが分かってきます。
ポイントが分かれば、午前を通過する程度の知識量は直ぐに身に付けられます。
いきなり過去問をやる勉強法もありますが、ベースとなる知識が少なすぎると勉強にならないため、まずはこの教科書を1回通り読む事をお勧めします。
定番とも呼べる教科書で、この1冊で系統だった知識を身に付けることができます!
午前試験の対策にお勧めの問題集
- 午前試験は過去問からの流用問題もある
- 午前問題で6割正解できれば、午前試験は合格となる
- マーク式なので、問題と解答を覚えれば合格点(60点)を取ることは可能
- 基礎的な知識を問う問題が多いので、午後に比べれば簡単な問題が多い
- 教科書を軸に勉強しながら、知識の確認として問題演習を行うのがお勧め
午前問題の対策本はだいたいどれを買ってもハズレは無いです。
オススメする理由
・過去問が4回分+PDF14回分と豊富であること
午前問題を演習する際に心がけたい事が2つあります。
- 基本知識を定着させる事
- 過去問を覚える事
午前問題は7割くらいは過去に出題された問題が使い回されています。
また、各分野の基本となる知識をベースに出題されるため、基本知識の定着も兼ねて演習する事をお勧めします。
このため、午前問題はとにかく数をこなす事がお勧めです。経験からは8回分程度を解けば充分と考えます。
午後問題の傾向を網羅し、解説も詳しいオススメの問題集
午前問題は過去問とほぼ同じ問題なのに対し、午後問題は毎年違う問題が出題され、なおかつ思考力・読解力を問う問題も出ます。
簡単に午後問題の特徴を整理すると以下です。
- 全11題中、5題を選択する(解答時間は2時間30分)
- A4で3ページ程度の問題文を読み、設問に解答する(記述形式)
- 午前問題は過去問からの転用が多いが、午後問題は毎年変わる
- 午後問題は毎年変わるが、ある程度のパターンはある
- 例:ネットワークなら、通信データ量の計算問題が中心の場合や、通信規約に関する問題が中心の場合など
- 分野毎の頻出パターンごとに演習するのが効率的
この問題集をオススメする理由
- 「重点対策」の問題集は良質な過去問だけを掲載してくれている
- 分野毎の出題パターンを押さえられるように選別してくれている
「重点対策」は問題の解説の良さもさることながら、系統毎に良問を選別してくれており、この選別に対してだけでもお金を払う価値があります。
年度毎に出題する過去問題集ではなく、厳選された問題を解く事で効率的に実力をアップできます。
午後問題は1回分を解くのに2,3時間はかかります。このため、年度毎に解くのではなく、選別された良問を解くのが効率的です!
補足:直前期の追い込みに使える参考書
試験直前に要点だけを復習したいという人にお勧めの参考書です。
オススメする理由と使い方
- コンパクトながら良くまとまっていて、要点の整理をするには丁度良い
- 午前問題や午後問題も数題掲載されており、問題演習も出来る
私は直前期に以下のパターンで勉強していました。
- 朝・夜の帰宅時:本書を使って勉強する
- 帰宅後:「重点対策」の問題集で通勤時に勉強したのと同じ範囲の午後問題を演習する
1日に同じ範囲を何度も学習出来たので、記憶を定着させるのに役立ちました。
基礎固めに使える書籍!セキュリティ・ネットワーク・データベース・プログラミング
初心者でも分かりやすいセキュリティ・ネットワーク問題の対策本
セキュリティ問題はネットワークの知識が必要になる
応用情報技術者試験の午後問題では、分野別に文章題が出題され、5分野を選択しますが、セキュリティは必ず選択するよう決められています。
セキュリティはネットワークとも関係の深い分野で、例えば、メールシステムのセキュリティに関する知識や、サーバーに関する基礎知識がないと解けない問題が出題されています。
セキュリティ・ネットワークの対策にお勧めする参考書
私は以下の参考書を使って対策をしました。
この参考書をお勧めする理由は以下です。
- ネットワークの基本的な用語から丁寧に解説してくれている
- 1ページないしは2ページをかけ、大きな図を用いて解説してくれるので視覚的に分かりやすい
- ネットワーク関連が苦手な人でも十分に読みこなせる
amazonで なか見検索 が出来るので、見て頂くと分かりやすさが伝わると思います。
ネットワーク系の勉強を何から始めて良いか分からない、といった私のような初心者でも内容について行く事ができました。
余談ですが、この参考書で基礎を固めたことが、後で高度情報の情報処理安全確保支援士やネットワークスペシャリストを受験する際に役立ちました。
ネットワークの勉強をしておくと、セキュリティの対策にもなるので、一石二鳥です!
漫画で読める!データベースの対策本
初心者にはハードルが高めのデータベース
私は応用情報技術者試験の勉強を始めた時には、データベースに関する知識はほとんどゼロに近い状態でした。
特にSQLが良く分からず、解説を読んでも理解できずに困ることが多かったです。
応用情報技術者試験のデータベースの範囲にドンピシャだった参考書
この本の表紙を見た時には、大した本では無いだろうと思っていました。
それでも、一応と思って買って読んでみると応用情報技術者試験に役立つ本でした。
- データベースとはどんなもの?何に使えるか?といった基本から解説してくれている
- 応用情報技術者試験で問われる、第三正規形・SQLの解説をしてくれている
- 漫画なので、抵抗なく読める(2時間もあれば読める)
試験範囲にもドンピシャなので、データベースが全くの初心者という人は一度読んでみることをお勧めします!
2時間程度で読め、しかも漫画なので、気分転換として読むのもお勧めです!
未経験者用のプログラミング(アルゴリズム)の対策本
プログラミング未経験者にも分かりやすいと評判の技術書
私が本書を読んで、未経験者にもお勧めできるとした理由は以下です。
- プログラミングの基礎知識である、変数や配列などの基礎から解説されている
- 基本的なアルゴリズム(ソートなど)を一通り網羅している
- 本書では試験でも使われる擬似言語を使って解説している
どのプログラミング言語でも共通して使える、基礎的な概念を解説しているので、未経験者にもお勧めです!
参考書に関する私の失敗談
予想問題集まで買ってしまった
私はつい勢いで予想問題集も買ってしまいました。
実際に解いてみると、過去問や本番の試験に比べて、数段難しい・細かい知識が要求される問題で、時間やお金の無駄になった上に、全然解けずに自信も失いかけました。
対策としては、教科書と過去問をメインに使うのが無駄のないやり方です。
教科書からオリジナルのノートを作ろうとしてしまった
応用情報技術者試験は覚えることが多いため、要点を図等を使ってまとめたオリジナルのノートを作ろうとしてしまいました。
実際に始めると、このノート作りに時間を取られてしまい、気が付くと1カ月たったけど、全然勉強は進んでいないうえに、ノートも未完成という状態でした。
教科書を読みつつ、過去問の実践演習でポイントを覚えて行くのが効率的だと考えます。
教科書は電子書籍・Kindleでも良かった
当時は紙の本にこだわっていたのですが、応用情報技術者試験の教科書は4cm程度もあり、重さも1kg弱程度あり、持ち運びが大変です。
教科書は繰り返し読まないと頭に入らず、少しでも沢山読み進めるには、日頃から教科書を持ち歩く必要が有りました。
このため、スマホにもデータを入れて持ち運べるKindle版を購入しても良かったと考えています。
その他:古い参考書の注意点
古い参考書を使う場合の注意点
古い参考書であっても、1,2年位なら合格することはできますが、注意は必要です。
試験の出題範囲は毎年見直されており、全く新しい知識がでてきます。
最近では、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する問題が出題されたりしました。
古い参考書では、最新の知識には対応できないため、新しい参考書を買うことをお勧めします。
最低でも、何か1冊は新しい教科書か問題集を購入することをお勧めします。
1度、教科書と午前対策しかせずに不合格になったことがある人は、午後対策様に以下の問題集で対策するのがお勧めです。
使い終わった問題集を捨てないで!
応用情報を受験される方の中には、いずれ高度情報を狙っている方も少なくないと思います。
私は高度情報を3つ取得していますが、高度情報の勉強をしている時に、応用情報の問題集を捨ててしまった事を後悔しました。
というのは、応用情報の午後問題は高度受験のウォーミングアップに丁度良いからです。
応用情報は午後84点で合格しましたが、高度の午後問題の過去問を解くと最初は20点くらいしか取れませんでした。
試験勉強は実力に合った問題を解いていく方が効率良いです。
基礎ができてない場合は簡単な問題で実力を固めた方が得点の伸びが良いです。
応用情報の問題集を保管しておけば、高度情報を受ける際の基礎固めに使えるため、売ったり捨てたりしない事をお勧めします。
番外編:啓発系の本・漫画の紹介
資格でのキャリア形成について
応用情報処理に直接関係はしませんが、以下の記事にて情報処理試験を受験していく事でキャリアを形成された方の書籍を紹介させて頂いています。
モチベーションのアップのため、キャリア形成のご参考にどうぞ。
ミュージシャンから30代でSEになり、高度情報を全部制覇して、企業したバイタリティあふれる方の本です。
気分転換にセキュリティの漫画のお勧め
情報セキュリティは午後の必須選択だけれども、全く興味が無い、という方もいるかと思います。
そんな方には、気分転換と興味・関心を持つ意味で、情報セキュリティの漫画をお勧めします。
ガッツリ勉強というよりは、情報セキュリティをテーマにしつつ、楽しめるストーリーになっています。
試験対策には不十分ですが、気分転換を兼ねて読むなら良いと考えます。
勉強にも使える漫画の紹介
別記事で、IT系の知識を身に付けられる漫画についてまとめました。
正式な試験対策本ではありませんが、ネットワークやITインフラ系の知識を覚えるのに役立ちます!
おわりに
上で紹介した参考書をやれば大体の方は合格出来るはずです。
私は午前は7割超え・午後は8割越えで余裕をもって合格できましたが、試験日ギリギリまで午後の点数が伸びずほぼボーダー位の実力でした。
受験される方も、直前で点数が伸びないからと言って合格を諦めずに、最後まで演習すれば合格出来るのではないかと考えます。
私の勉強方法等は以下の記事にまとめましたので、ご参考にどうぞ。
ご参考になりましたら幸いです。
以上
コメント