社会人になってから本を読む機会が減ったり、読んだとしても経営・啓発・スキル系の本が多いのでないでしょうか。
読書というのは脳のサプリメントみたいなもので、普段不足している物を補ってやると、物の見方・考え方に多様性をもたらしてくれる事があります。
そこで、私が読んだ本のなかから、直接はあまり役に立たないかもしれないけれども、読むと何か身になるかもしれない本を紹介させて頂きます。
思想・社会
私は高校の頃、社会の選択授業は世界史でしたが、この本を読むと世界についてまるで分かっていなかったと感じました。
本書では、以下の本が世界にどう影響を与えたかについて解説されています。
- アンネの日記
- 聖書
- コーラン
- プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
- 資本論
- 道しるべ(イスラーム原理主義)
- 沈黙の春
- 種の起源
- 雇用、利子および貨幣の一般理論
- 資本主義と自由
特に個人的に興味深かったのは、「アンネの日記」と「種の起源」です。
私はこの2冊については、
- アンネの日記は迫害されたユダヤ人の辛さが伝わる本である
- 種の起源は、進化論について書いた本である
といった認識でした。
上記の認識で間違いではありませんが、それ以上に、
- アンネの日記が現在の中東の情勢に繋がっている事
- 種の起源が資本主義や人種差別に与えた影響
を知ることができます。
本が世の中にどう影響を与えたかは、紹介されている本をただ読むだけでは知る事ができません。
一部には著者である池上先生の推測も入っている様ですが、本書を読めば、それぞれの本がどの様に世界に影響を与えて来たかを知ることが出来ます。
特に、日本人は無宗教という人が多いため、聖書やコーランについて興味の無かった人も多いのではないでしょうか。
本書は池上先生が書かれているだけあり、文章も上手いです。
例え、これまで興味が無かった分野だとしても、読者に話しかけるような文章であるため、読んでいてスッと入って来ます。
社会についてこれまでとは違った見方を学びたい、という方にお勧めの本です。
他にも、事件や社会問題などを題材に、綿密な取材を行って書かれたルポタージュ系の本もお勧めです。
読書家が選ぶ、ルポタージュ・ノンフィクション本のおすすめ6冊
アート・芸術
絵画に詳しい人に言わせると「絵画とは見るものではなく、読む物です」だそうです。
「あれが文字に見えるなら眼下にでも行ったら?」というツッコミは置いておくとして…
特に西洋絵画で描かれる宗教画、風俗画などは背景知識が無いと、見てもつまらないと感じる人の方が多いと思います。
だからと言って「よし!名画を鑑賞するために歴史や宗教の勉強をしよう!」と思う人は稀で、芸術鑑賞はハードルの高い趣味となっています。
このハードルの高さを解消するのに役立ってくれるのが「現代アート」です。
現代アートはフィーリングで鑑賞することが許されている分野です。
何の勉強もなしに、「すごいな~」「変だな~」「なんじゃこりや!?」と鑑賞を楽しむ事ができます。
本書ではそうした現代アートの中から、著者が12の作品を選び、その作品の感想や解釈を難しい専門用語を使わずに説明してくれています。
風変わりな作品も多いので、この本を読めば「現代アートって何となく面白そう…」となるかと思います。
そうして、美術館に足を運ぶようになると、現代アート以外の作品も目にする様になってきます。
現代アートを入り口として色々な作品を鑑賞する様になれば、もう芸術鑑賞が立派な趣味です。
(余談ですが、女性には美術館に行くのが好きな方も多いので、男性で美術館に行く趣味があると話のネタにし易いです。)
文学
日本人に生まれたからには、源氏物語を読んで頂きたいです。
西暦1000年頃に、あれだけの作品を書ける女性がいたというのは、日本にとって誇るべき歴史です。
そんな歴史的な作品を是非味わって頂きたいです。
暮らし
インテリア系の本には「もうそれ家の構造からして違うから参考にならん!」とか、「こんな高級インテリア買えない!」などの買っても仕方がない本もあります。
本書は、具体的なノウハウも書かれていますが、それよりも「住宅感」の部分で参考になります。
ノウハウ本とエッセイの中間の様な印象を受けました。
まず、部屋とはどんな場所であって欲しいかという考えが書かれており、そして、希望の部屋にするにはどうすれば良いかが書かれています。
住む場所の満足度は、住宅の価格やオシャレさだけで決まる物ではありません。
多くの時間を過ごす自分の部屋を居心地が良い空間に出来れば、それだけで生活の質が高まります。
また、本書のタイトルに「ひとりを楽しむ」とある通り、今後の人生で独身の可能性が高そうだという場合の部屋選びにも参考になります。
他にも書籍を紹介する記事を書いているので、宜しければご参考に下さい。
ご参考になりましたら幸いです。
以上
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