システムエンジニアって数学が得意じゃないとなれないのかな…?
全くそんな事はありませんよ。数学が苦手でも仕事ができる人は大勢います。
SE(システムエンジニア)の人はプログラミングを行う事が多いため、数学的な能力が必要不可欠だと思われがちです。
勿論、数学ができた方が良いですが、できなくてもSEとしてやっていく事は可能です。
私はSEとして働いてもうすぐ10年になりますが、色んな方と一緒に働いてきました。
一緒に働いたSEの中には、数学が苦手でも仕事ができる人はいました。
本記事では、
- SEで数学が得意だとどんなメリットがあるか
- 数学が苦手なSEはどうするべきか
について書かせて頂きます。
SEで数学が得意だとどんなメリットがある?
CG・機械学習・画像認識関連のソフトウエアを作れる
CGで回転や変形を表すには数学の知識が必要になります。このため、CGを扱うアニメやゲーム等のソフトウエア開発では数学が得意だと有利になります。
他にも、2017年頃から、ビッグデータ解析、機械学習、画像認識といった用語をよく聞くようになりました。
こうした分野に必要となるのが以下のような数学スキルです。
- 統計学
- 線形代数
- 周波数解析
品質の良いソフトウエアを作るためには、単にプログラムの知識を持っているだけでは不十分で、作ろうとしているソフトウエアの分野に対しての知識も必要です。
例えば、画像認識のソフトウエアを作るためには、統計学や信号処理の理解が必要です。
もし、数学が得意なら、ビッグデータ解析、機械学習、画像認識などの数学的な知識が必要となる企業に採用されやすくなります。
自分の可能性を広げるという意味で、数学が得意だとメリットがあります。
最近は画像処理や姿勢制御の計算によく使われるクォータニオンについても勉強しました。
実際に働いていて、数学が得意だと周りのエンジニアと差別化できると感じます。
資格を受験する時に有利になる
IT系の資格として有名な「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」では、アルゴリズムの問題が出題されます。
アルゴリズムの問題を解く場合、高校数学の「場合分け問題」が得意だとスムーズに解けます。
また、画像処理の資格試験である、画像処理エンジニア検定では画像の変形等の問題が出題されます。
画像の変形には線形代数の知識が必要なため、元々得意な人はスムーズに理解できます。
資格が無くても仕事ができないという事はありませんが、会社によっては取得を義務かしている所もあるため、数学が得意な人の方がSEとしてやって行きやすいです。
画像処理エンジニア検定については以下の記事をご参考にどうぞ
システムエンジニアはどの程度の数学力があると良い?
あると良い基本的なレベル
一般的なSEの場合、大学レベルの数学が必要になる場合は、ほとんど無いです。
ただし、業務で数学用語がでてくる際に、大雑把にでも概念を知っていないと会話が成立しない事もあります。
高校数学のレベル、例えば、行列・ベクトル・微分・積分・外積・内積等の用語が分からないと、「この人に仕事をお願いしても大丈夫かな…」と心配されかねません。
最低でも、高校数学程度までの数学用語と概念程度は知っておいた方が良いです。
本当に数学が苦手だけど、なんとかしたいという方のために以下の記事を書きました。
数学が苦手なシステムエンジニアはどうするべきか?
私の勤務先にも数学が苦手な人はいます
私の勤務先では、画像処理をするソフトウエアの設計・製造も行っています。
画像処理のソフトウエアでは、バリバリと数学を使います。
バリバリと数学を使う会社でも、社内に数学が苦手な人はいますが、仕事ができないという事はありません。
数学の計算自体が苦手でもなんとかなる
数学系のソフトウエアを作る際、難しい計算をしなくてもソフトウエアは作れます。
というのは、「ライブラリ」と呼ばれる便利な機能の集まりがあるからです。
ライブラリとは高機能な電卓のような物というイメージです。
電卓の使い方さえ知っていれば、自分は計算をしなくて済むように、ライブラリの使い方さえ知っていれば難しい計算をする必要はありません。
重要なのは、計算力ではなく考え方の部分です。
例えるなら、SEにとっては数学の文章題で「方程式を作る能力」は大事ですが、「方程式を解く能力」はそれほど重要ではありません。
数学ができなくても仕事ができるSEにはなれる
数学が苦手でも仕事ができるSEに共通するのは、他に得意な分野がある事です。
具体的には、以下のような事です。
- OS、開発ツールなどに詳しい
- 製品知識に詳しい
- 会議などで人の意見を整理するのが得意
チームとしてソフトウエアを製造する際には、得意なスキルが違う方がお互いに助け合えます。
このため、全員が数学が得意である必要はなく、他に得意なスキルがあればやって行く事ができます。
もし数学が苦手な人は、数学以外で得意な分野を作る事がお勧めです。
因みにですが、プログラミングが得意な先輩に、一歩先のプログラミングスキルを身につけるための参考書籍を紹介して頂きました。
以下にレビュー記事を作成しましたのでご参考にどうぞ
IT初心者なら応用情報技術者試験を目指すのがお勧め
数学が苦手なSE、数学が苦手だけどSEになりたい方の多くは、文系でIT自体にも不慣れな方が多いのではないでしょうか。
ITの知識が少ないと設計書を読んだり、職場でのコミュニケーションの際に、専門用語が分からない等の問題が出てきます。
このため、先ずは数学よりもITの勉強を優先的に行うべきです。
応用情報技術者レベルの知識を得られれば、IT系の知識を広く得る事ができ、仕事で困る事も減ります。
資格の勉強をすると系統だった知識を習得できます。
IT系の初心者の方なら、応用情報技術者試験の勉強を通じて、初心者のレベルを卒業できると考えます。
基本情報技術者、応用情報技術者の勉強については以下の記事をご参考にどうぞ
まとめ
本記事の内容をまとめます。
- 数学ができると、就職先の選択肢が増える
- 数学ができると、資格試験の受験で有利になる
- 数学が苦手でも仕事ができるSEにはなれる
- 数学が苦手な場合、数学以外で得意なスキルを身に付けるのがお勧め
- IT初心者の場合、応用情報技術者試験の合格を目指すのがお勧め
ご参考になりましたら幸いです。
以上
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